お知らせ

グルテンフリーの食事療法で改善した舌痛症

【症例】58歳、女性

【主訴】舌のしびれ

【病歴】20XX-3年より舌のしびれを自覚。夕方以降に増強する。咽喉部閉塞感や、口の苦みもあり。口内炎ができやすい。歯科や耳鼻科には受診済みで異常は指摘されなかった。脱毛や味覚障害を以前より認めている。亜鉛のサプリメントを数ヶ月間服用したが、症状の改善は認めなかった。20XX年9月、当院初診。

【身体所見】貧血なし。舌は淡白色で舌下静脈怒張あり。臍上悸なし。胸脇苦満軽度。

【検査所見】

WBC4900, Hb13.0, MCV102.0, 鉄105, UIBC214, フェリチン62.4, 亜鉛74

【治療経過】初診時、難治性舌痛症と繰り返す口内炎に対して、半夏寫心湯とアコニンサンを処方。2週間後、咽喉部閉塞感や口内炎は改善したが、舌痛症は持続。採血で中等度鉄欠乏と重度亜鉛欠乏を認めたため、いずれも補充を開始。漢方薬は加味逍遙散とアコニンサンに変更した。その後、亜鉛値の正常化など認めたものの、約半年間、舌痛症状は横ばいであった。20XX+1年1月には口腔カンジダ症を疑い検査を行ったが陰性であった。同年4月、ゼロ・サーチで空腸や舌にグルテン、ゾヌリン、ヘリコバクターピロリ潜在感染が推定されたため、グルテンフリーの食生活や生もの摂取を控えるよう指導した。以来、グルテンの摂取を減らすほど舌痛症状が軽減するようになった。同年6月には初診時と比較して20%くらいに舌痛は改善した。

【考察】舌痛症は難治性の慢性疾患であり、東洋医学的にはストレスを軽減するために柴胡剤を使用したり、西洋医学的には栄養療法やカンジダ感染の検査・治療を行ったりすることが多いですが、それだけではなかなか改善しません。背景にある機能障害の原因を除去することが重要です。それがグルテンであったり、弱毒菌潜在感染であったり、重金属汚染であったりするわけですが、本症例の場合はグルテンとリーキーガット症候群に伴うゾヌリンの蓄積による慢性炎症が主体であったと思われます。亜鉛の補充も継続していたため、それが重金属汚染の軽減に寄与した可能性も示唆されます。今後症例を蓄積し、同疾患で舌にどのような汚染があるのか、バイオレゾナンスメソッドで検証していきたいと思います。

【備考】症例報告に関して、患者さんの同意を得ています。