お知らせ

カゼインフリーの食事療法で改善したアレルギー体質

【症例】12歳、男性

【主訴】じんましん、喘息発作

【病歴】気管支喘息に対して他院より吸入薬を処方されていたが、時折喘鳴を認めるため、当院初診。漢方薬の併用で喘息の発作症状はコントロール可能となっていた。20XX年6月下旬、学校給食(パン、マカロニ、アスパラガス、牛乳)摂取後よりじんましんが出現し、当院受診。ハウスダストのせいか、喘息発作も再燃するようになっていた。

【身体所見】酸素飽和度97%(room air), 脈拍整, 貧血無し, 舌は淡紅色で薄白苔, 肺雑音なし, 心雑音なし, 主に前腕に膨隆疹散在。

【ゼロ・サーチ(ZS)による推定】

空腸部にTNF+, ゾヌリン++, カゼイン++, グルテン-, IL-4+。

肝臓にTNF+, ゾヌリン++, カゼイン+++。

胸腺にIL-4+, カゼイン+→カゼイン蛋白接触でIL-4共鳴増加。

膨隆疹にIL-4+、カゼイン+。

漢方薬・解毒薬の接触で、胸腺, 空腸, 膨隆疹のゾヌリンとIL-4の共鳴消失。

【治療経過】病歴・身体所見・ZS所見を総合し、カゼイン過剰摂取によるリーキーガット症候群(LGS)、そしてLGSを契機としたカゼインアレルギーによるじんま疹と推定した。カゼインフリーの食生活を指導し、漢方薬・解毒剤を処方した。採血では、鉄欠乏の所見を認めたが、即時型アレルギー検査では牛乳抗原への反応陰性であった。じんま疹は出なくなり、喘息の吸入薬も不要となった。3週間後、じんま疹の再燃なく、ZSで空腸のTNF消失し、胸腺でのIL-4共鳴も消失。一方で、カゼイン蛋白接触で、胸腺や肝臓のIL-4出現~増加を認めた。また、外用薬(鎮痛剤)の接触で、肺にIL-4の著増を認め、同薬による喘息症状が起こりうると推定されたため、使用を控えるよう指導した。同年7月下旬、じんま疹の再燃なく、喘息の吸入薬も忘れていることが多くなったが、発作も起こっていない。ZSで、空腸のゾヌリン消失し、カゼイン接触で胸腺や肝臓のIL-4微増であった。漢方薬接触で空腸のゾヌリン増加するため、同薬は不要と判断し、LGS、カゼインアレルギー、喘息症状はいずれも治癒と判定し、終診とした。

【考察】アレルギー体質の背景にはグルテン・カゼイン・酸化油・化学物質・弱毒菌潜在感染・重金属汚染などによるLGSが必ずといって良いほどみられます。LGSと関連する食物アレルギーに関しては、その機序の違いからか、通常の即時型アレルギー検査では陽性になることは少ないため、機能性医学で提唱される遅延型フードアレルギー検査を行う必要があります。LGSに関しては抗グリアジン抗体を検査することとなるでしょう。しかしながら、同検査はいずれも高額かつ結果判明までに数週間を要することがデメリットです。一方で、ZSによるバイオレゾナンスメソッドを用いることで、ローコスト・非侵襲的・リアルタイムにLGSの存在やフードアレルギーの有無を推定し、食事療法などの指導につなげることや、有効な治療薬の選択を行うことが可能です。

【備考】症例報告に関して、患者さんの同意を得ています。