お知らせ

当院では健康増進のためのクリーンアップ外来(自由診療)を行なっております。

具体的にどういうことを行なっているのか?

端的にいうと、患者さんの食事・生活改善による原因治療のサポートです。

今回は、症例報告に同意を頂いている患者さんの臨床経過を記載させて頂きます。

クリーンアップ外来による健康増進は地道な道程ではありますが、患者さんの食事・生活改善の努力は確実に良い結果につながっていきます。

【腸漏れ・複合汚染による副腎疲労・精神不安・胸部不快感】

【症例】68歳、男性。

【主訴】疲労感、精神不安、下腿の火照り、胸部不快感

【現病歴】20XX年7月下旬から倦怠感が出現。体調が良い日でも、午後の倦怠感とともに両下腿の火照り、精神不安、胸部不快感が出現する。熱中症のためか、夏のテニス大会後の強い疲労感を自覚し、その後、草刈りなどの農作業やテニス練習後も疲労感が強く、気分の浮き沈みも認めるようになった。昨年の6~8月も体調を崩した(パニック症状)が、それ以上に今年は体調が悪くなっている。かかりつけ医での血液検査では異常は指摘されず、テストステロン値も正常範囲内であった。知人の紹介で20XX年8月下旬に当院初診。

【生活歴】普段は農作業で忙しく、週末はテニスをする。晩酌にビール350mL 1本。カフェインで気分不良となるため、緑茶・コーヒーは避けている。調理油はサラダ油。間食にクッキー食べる。

【既往歴】高血圧症で近医内科通院中。昨年、パニック症状。

【内服薬】降圧剤1錠, 睡眠導入剤1錠, 抗不安剤1錠(頓用)

【身体所見(初診時)】

脈拍整、貧血なし、舌は淡紅色で厚白苔。ラ音・心雑音なし。

【初診時ゼロ・サーチ(ZS)総合所見】

  • CJISあり(グルテン>カゼイン/酸化油)。真武湯,四君子湯,ミヤBM,タチオン散でCJISのTNF減弱。
  • 胃・肝臓・CJIS-PにCRP陽性(弱毒菌潜在感染と推定)。
  • 上半身にMites強陽性。
  • 両下腿にTNF陽性(左>右)、左側はグルテン優位/右側はカゼイン優位。
  • 胸腺でIL4陰性。
  • 両側副腎カウント低下。

【治療経過】

初診時、ZS所見よりグルテン・カゼイン・酸化油・弱毒菌潜在感染による慢性空腸炎症症候群:Chronic jejunum inflammatory syndrome(CJIS)と推定。CJISに起因する副腎疲労、両下腿の慢性炎症、精神不安と判断した。胸部不快感はダニ吸入の影響もあると推定した。重金属汚染や電磁波障害の影響は少ないと判断した。食事指導(グルテン・カゼインフリー、酸化油・生もの対策)、生活指導(ダニ対策)を行った。CJISの改善目的で、真武湯5g 2x, 四君子湯5g 2x, ミヤBM2T 2x,タチオン散3g 2xを処方した。お一人で来院されていたため、再診時は奥様にも同伴して頂き、食事・生活指導を聞いて頂くこととした。

9月上旬、食事療法の結果、食直後の軟便が改善し、精神不安・下腿火照り・胸部不快感が軽減した。ZSでCJIS-Pのグルテン・カゼイン・酸化油の共鳴は減弱、胃のTNFは消失した。CJIS-Pでカンジダ共鳴陽性、肝臓や両下腿でカンジダ・合成界面活性剤・水銀の共鳴陽性であった。両側副腎カウントは前回よりやや増加していた。界面活性剤・ダニ対策の指導を奥様にも行い、次回飲料水や常食しているナッツの持参を指導した。CJISやカンジダ潜在感染に対して、桂枝加朮附湯5g 2x, 桂枝人参湯5g 2x, ミヤBM2T 2x, タチオン散3g 2xを処方した。副腎疲労に対してリポカプセルビタミンC 2包1xを処方した。

9月下旬、胸部不快感はさらに軽減していた。常用している飲料水は重金属汚染ありと推定し、エクリプスもしくはブリタ浄水器での飲用を推奨した。お茶も化学物質ありと推定したものは飲用を控えるよう指導した。肝臓の界面活性剤汚染、上半身のMits汚染が残存(会社の倉庫で作業することが多い)しており、クリーニングを控えたり、イソジンマスクの使用も指導した。ビタミンCは肝臓で充足してきたが、脳で不足していると推定し、リポカプセルビタミンC2包で継続するよう指導した。

10月上旬、体調の良い日もあったが、牛肉ステーキ摂取後よりやや体調不良あり。CJIS-Pでのカンジダは著明に減少し、同部位のTNF減少し、CJIS改善してきていると推定。肝臓のTNF陽性で、酸化油や界面活性剤の共鳴は持続していた。仕事のストレスが強いとのことで、扁桃体をZSでみると、現在~未来の不安に対して過剰反応を示していると推定した。仕事をやめたと想像してもらったところ、扁桃体左側の共鳴が著減した。仕事を辞めることもそろそろ考えたいとのことであった。牛肉はグラスフェッドビーフを紹介した。漢方薬は終了し、百会チャクラ湯1P2x、ミヤBM、タチオン散を処方した。

10月下旬、便通は整ってガスもたまらなくなった。疲労感は初診時と比較すると7割減まで改善したが、夕方になると疲労感がでてくる。胸部不快感や不安感はあるが、気分の落ち込みはなくなった。両下腿の火照りも消失した。ZSでCJIS-PのTNF陰性化し、両側副腎のカウント4に増加しており、CJISに伴う副腎疲労は概ね改善してきたと判断した。引き続き、食事療法を行って頂く。不安感に関しては、抗不安薬を漸減~中止していくため、半夏厚朴湯2P2x(ZSで頭部のセロトニン増加)で処方した。肝臓の界面活性剤汚染と前胸部のMites汚染は残存しているため、対策を強化(EMW洗い、イソジンマスク1日3回)することとした。

【考察】

食事療法などによるCJISの改善とともに諸症状も改善傾向となった。ビタミンC補充も副腎疲労の改善に寄与していると考えられた。一方で、界面活性剤とダニ対策がいまだ不十分であるため、クリーンアップを継続していく必要があった。

【備考】

症例報告に関して、患者さんより口頭での同意を得ております。