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米粒にも水銀が蓄積されるってほんと?

2023.05.15 / タニクリ通信

バイオレゾナンス医学による診療を実践していると、病気の原因がいろいろと推定できるため、ついついマニアックなことに興味が湧いてしまいます。
興味が湧くと、とことん調べないと気が済まない性格なのです。

今回は、慢性病の原因のひとつである水銀について調べてみました。
水銀にもさまざまな形態(無機水銀、メチル水銀など)があることが知られています。その中でも、人体に神経毒性などきたし、有害なものがメチル水銀です。

「歯科金属アマルガム(揮発した無機水銀が消化管内でメチル化される)」「マグロなどの大型魚」からのメチル水銀曝露は有名ですが、これらが当てはまらない患者さんであっても、エネルギー検知器ゼロ・サーチで水銀汚染が推定されることは多々あります。

そのような患者さんを診療していると、「果物」「野菜」「米」などの食材が水銀の暴露源になっていると推定されることもあります。

「なんでやろ~、たぶん有機肥料が原因なんじゃないかな~」と仮説を立てながらも、とにかく患者さんの病気を改善させないといけないので、推定したからには、それらの対策を患者さんにはアドバイスしています。

「たぶん有機肥料が植物への水銀蓄積の原因なんじゃないかな~」という仮説を検証するために、最近の文献をいろいろと調べてみたところ、やはり有機肥料は植物への水銀蓄積の原因のひとつになるようです。
できるだけ無機肥料の割合を増やした方が良いと結論づけられております。

『無機肥料と有機肥料の比較:米粒へのメチル水銀の蓄積はどのように起こるか?』
Sun, Tao, Qing Xie, Chuxian Li, Jinyong Huang, Caipeng Yue, Xuejie Zhao, and Dingyong Wang. 
Environmental Pollution Volume 314, 1 December 2022, 120341

【概要】
米の収量を増やすために、無機肥料と有機肥料の両方が広く使われている。しかし、これらの肥料は、水田における水銀のメチル化やメチル水銀(MeHg)蓄積を悪化させることも分かっている。
本研究の目的は、まだよく分かっていない無機および有機肥料によるイネ粒子中のMeHg蓄積のメカニズムを明らかにすることである。水田土壌に異なる肥料を施用したポット培養を行った。その結果、無機肥料と有機肥料のいずれもが、成熟した米粒中のMeHgの生物学的蓄積係数(BAF)よりもMeHg濃度を高めることがわかった。
無機肥料、特に窒素肥料は、水銀の生物学的利用能とHgメチル化微生物の相対量を高めるため、水田土壌の水銀メチル化と米粒へのMeHg蓄積を強めた。無機肥料と異なり、有機肥料に含まれる有機物(OM)は、米粒中のMeHg濃度を高める主因であり、また、深く分解されると土壌中のHgを固定化することができた。
無機肥料による米粒中のMeHg濃度の上昇(5.18-41.69%)は、有機肥料による上昇(80.49-106.86%)に比べて有意(p<0.05)に低い。無機肥料はMeHg濃度(5.18-41.69%)よりも千粒重の増加率(50.39-99.28%)が大きく、成熟米粒中のMeHg濃度が希薄化した。有機肥料による土壌特性の改善を考慮すると、無機肥料の施用割合を増やすことが、米粒のMeHg蓄積を緩和し、農業生産における米の収量を保証するためのより良い選択肢となる可能性があります。

Environmental PollutionVolume 314, 1 December 2022, 120341

昨今のオーガニックブーム(無農薬+有機肥料)は、思わぬところで私たちの健康に影響しているようです。

解決策としては、
・できるだけ水銀汚染の少ないお米をゼロ・サーチで確認(推定)する
・自然農法(無農薬+無肥料)の農家さんと知り合う
・自給自足する
・がんばってデトックス(運動やサウナでの発汗、便通を良くしておく)
・金属解毒のサプリメントを定期的に服用する
といったところでしょうか。

さぁ、食事・生活改善しましょう!

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